村井忠夫のマンション管理ブログ

村井忠夫のマンション管理ブログ
2年半ぶりでメンバーも変わって再開のマンション管理検討会、たった1か月で結論を出すとは・・・・
さんざん揉めた時のメンバーも変わって2年半も前の課題がたった1カ月でまとまる?!?!

 国土交通省の「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」。マンションごとの管理規約のモデルにあたる標準管理規約の改正を目標としたこの検討会は2012年(平成24年)の1月にスタートして、始めのうちは8月まできちんと開かれていた。

 もっともメンバーが長く続いてきた今までのマンション管理検討チームの顔ぶれから一新したためか、あっと驚くような考え方が出たり、意見の開きが大きかったりして、なかなか議論がまとまらないらしい様子は春先あたりから聞いてはいたが…。

 そのためかどうか、7月には月1回のペースでは足りなくなったのか2回開かれたし、さらに8月は月末ぎりぎりの開催となった。

 それだけに2012年8月29日に開かれた会議の様子を特に知りたくて議事録の発表を待っていたが、これが一向に発表されなくて、やっとわかったのがちょうど1年後の2013年8月だった。国費で開かれる公式会合の議事録の発表がこんなに遅れたというのは、あまり聞いたことがない。

 いささか呆れて、2013年9月5日付のブログにいささかの感想を書いた。

 しかし、この時は単に議事録が発表されただけで、肝心の検討会は2012年9月以降はまったく開かれないままだった。それからまったく事情不明のまま1年以上が過ぎ、いったい標準管理規約の改正はどうなってしまったのだろうかといつも気になっていた。

 何より気になったのは、マンションの管理をめぐるルールを説明したり語ったりするときに、事実上かなり影響力の大きい標準管理規約が改正されるという方向だけが公式に示されていながら、肝心の改正の内容が固まるのがいったいいつになるのか何一つ情報が示されないままだったことだ。

 こうして、何がどうなっているのかまるで状況がわからないまま2年以上が過ぎた今年になって、ようやくこの検討会が2月26日に再開されることになった。

 いろいろ感想はあるが、それは我慢しよう。ともかく、まずは再開されてよかった、と一旦は、思った。
                        ☆
 ところが、その再開された時の様子が、いったいどうだったのか、まったくわからない。こうしたマンション管理関連の検討会は一般の新聞もテレビもまったく取り上げないから、事情がわからない。長い休会に入る前の段階でこの検討会にオブザーバーとして出ていた人たちもどうしてか今度の再開された検討会のメンバーからは外されているので、こうした人々にも事情はわからないらしい。
                        ☆
 何もわからないうちに3月に入って届いたマンション管理新聞の3月5日号を見て驚いた。この新聞1面の記事に、以下のような見出しがあったからだ。まさか、と思った。

 《『コミュニティー条項』は削除/国交省 2年半振り「管理ルール検討会」/3月末には終了見込み》
                        ☆
 記事によれば、次回3月27日前後の会合で報告書をまとめて終わるらしい。2年半の休会がいったいなぜだったのかは依然としてわからないままだ。2年前に意見が分かれたコミュニティのことがあっさり削除されることになったのは、いったいなぜなのか。外部の専門家なるものを活用することももう決まっているらしいが、専門家というのは、いったいマンションのどんなジャンルの専門家なのか。

2年以上過ぎて検討の当事者が変わった状態で意見の食い違いがまとまるなんて…

 わからないことづくめだが、せめて何か手がかりはないかと思って国交省のサイトを探していたら、この検討会の開催状況を知らせた箇所で、この間の2月26日に開催された検討会の資料を見つけた。

 さっそく目を通してみた。「(参考)主な論点ごとの考え方の整理」と題されたこの資料は55ページもある。冒頭に《各委員の意見等を基に事務局で整理した》とあるが、かなり読みづらい。

 一番わかりにくいのは、肝心の管理組合という組織の具体的なイメージがさっぱり浮かび上がってこない点だ。「管理組合は区分所有者から構成される財産管理団体であり、…役員はマンション》全体の財産管理の適切なあり方を大所高所から検討し執行する…」などという古くからの言い方もあるのに、後の方では「災害対策」とか「安全確保」とかいうリアルな問題が出てくる。

 財産管理を重視するなら集合住宅であるマンションが生活の場となる建物の機能は、基本的にホテルやビルと変わらないことになってしまう。ホテルやビルとは異なる視点でコミュニティの問題をめぐる意見が大きく語られる理由もこれではわけがわからなくなってしまう。

 大所高所・・・とかいう言い方をしても、結局のところ財産管理という個人レベルの経済的側面だけが重視されて大勢の人が生活条件を共有しながらいっしょに住むという組織レベルの側面は視野から外れてしまう。安全とか防災とかいう問題はマンション管理の課題としては認識されないのか。高齢化とか単身世帯の増加といった個人レベルの生活面の問題が語られても、それは制度上の検討課題とはならないのか。

 不可解で奇異な感じは、依然として消えない。

管理組合でこんなことがあったら収拾がつかなくなる!マンションの管理よりも検討体制の管理の方が先決!

 もしも管理組合で検討事項のまとめ方をこんな不可解なやり方で進めたら、間違いなく収拾がつかなくなる。管理組合運営の事実上の中枢となる役員は任期が1年しかないから意見が分かれるような問題があれば必ず任期中にまとめなければならない。意見の違いがあれば、なぜ違うのかを忍耐強く根気よく話し合い続けて、誰にでも説明できるようにしなければならない。

 それができなければ、間違いなく未解決のままの問題が翌年以降もあとをひく。答えが出ないままの問題は年数が経つほどにわかりにくくなっていくから、最後には肝心の管理組合という組織そのものの運営が難しくなる。

 厄介だが無視できないそうした問題の取り組み方について標準管理規約などには一言半句も出てこないが、管理組合の運営に苦労した人なら、このことを誰でも知っている。

 検討会の委員たちは、もしかするとこのことを知らないのではないかという気がする。それならば、マンション管理よりも意見のまとまりにくい課題の検討体制の管理の方が取り組むべきテーマになるのではないか。
                        ☆
 こんな状態でまとめられようとしている標準管理規約。果たして標準の名に値する内容のものになるのだろうか。
| muraitadao | コラム | 04:44 | comments(1) | trackbacks(0) |
「年以上過ぎて検討の当事者が変わった状態で意見の食い違いがまとまるなんて…」ということは理解できます。

「財産管理を重視するなら集合住宅であるマンションが生活の場となる建物の機能は、基本的にホテルやビルと変わらないことになってしまう。」の「機能」の意味がよくわかりません。

「管理の現場」とおっしゃりますが、600万戸あるマンションにはさまざまな「管理の現場」があります。「管理組合の運営に苦労した人」もたくさんいます。客観的な視点を欠いるように感じます。

いずれにせよ、言葉や内容を正確に用いて欲しいと思います。マンション学の「マンション管理の現場から」も理解できないことが多いです。マンション学49号の内容はあまりにひどいおそまつな内容だと感じました。マンション学51号239ページの記事はごもっともです。
| とおりすがり | 2015/04/24 9:45 PM |









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