村井忠夫のマンション管理ブログ

村井忠夫のマンション管理ブログ
18歳…65歳…。マンション管理でも「年齢」の意味を考え直す時期がきているのでは
18歳選挙権年齢改正で オトナとコドモの違いに生まれた新しい意味

 選挙権年齢改正で18歳というラインが明確になり大人と子供の違いが今まで以上にわからなくなってきた。もう、これからは、今までの年齢イメージの延長上で漠然と「大人」と「子供」を単純に対比する感覚で考えるわけにはいかなくなるような気がする。

 「大人」と「子供」はどこがどう違うのか。いろいろな考え方があるのだろうが、その一つは物事の理解や判断についての成熟度ではないか。何かに直面して誰にも聞かないまま一人きりでどう考えて、自分の対応の仕方をどうするかという判断能力の成熟度の目安が、今までは20歳という年齢イメージに置かれていたのではないかと思う。

 その目安が、以前とは変わって政治的な意思表示のレベルで見直されるようになったのが今度の18歳選挙年齢の実現だったのではないか。

 とすれば、これは「年齢」の考え方に新しい意味が加えられることがはっきりしてきたからだろう。「年齢」という言葉そのものには、時間的な概念しかない。辞書をみても年齢とは「生まれてからその時までに経過した年数」だという実に簡明率直な説明が出てくるだけだ。

 しかし、経過した年数に対応して能力は変わるから、《何ができるか》という判断力レベルは当然ながら時代とともに変わっていくはずだ。今度の18歳選挙年齢の改正にも、最終的には《以前の18歳ができなかったことが今の18歳にはできるようになった》という意味が含まれているはずだと思う。

ならば「65歳になったら高齢者」という考え方にも再点検が必要ではないか・・

 そういう考え方ができるなら「高齢者」の考え方もあらためて気になってくる。

 65歳になると一律に「高齢者」となる仕組みがかなり前からできているのだが、いったいなぜ65歳を超えると「高齢者」になるのかという考え方の理由は、わかっているようで、実はよくわからない。国連やWHOでそう決められたのだという話はよく聞くが、本当はそうじゃないという話もあるようだから、正直にいってよくわからない。

 ただわかっているのは、自分自身の年齢経験や周辺で見聞きする同年齢の人たちの年齢事情が実に千差万別で、とうてい「高齢者」という単純な呼び方ではくくりきれないことだ。年齢相応の感じの人はもちろん多いのだが、あの歳で・・・という立派な体力を誇る人もいるし、体力ばかりでなく経済力もたっぷりな人もいる。

 逆に、まだ65歳までにはまだまだ…なのに体力や経済力に恵まれない人もけっこう多い。どうかすると若年性認知症などという人のことも聞く。

 高齢者、高齢者という呼び方をしているだけでは、高齢者になるまでの長い間に、どこでどういう仕事をして、どういう生活をしてきたのかという64歳までの長い年月による違いがまったくわからない。

 だが、それは機会がないために表からは「わからない」のであって、高齢者が長い年数を生きてきたこと自体は間違いないから、その年数に応じた経験は確実に蓄積している。

 蓄積しているのが幸せな経験ではなくてむしろ逆な経験であることも多いはずだが、どんな場面で、どんな人にめぐりあって、どういう状況に向き合ってきたかということをリアルに認識させられてきたことは間違いない。

 そのリアルな認識が経験という名の個人レベルの情報として蓄積されている様子は、その人が過ごしてきた年月によって千差万別だ。「高齢者」という言い方で一括りにできない多種多様な個人差が、この言葉の狭いイメージからはみ出していることを実感する機会がどんどん増えていると思うのだが・・・。

マンションの高齢居住者は知っている。どんな人がいれば何が起こるか、役に立つ物事の決め方をどうしたらいいかなどなどそのマンションで起こってきたことを…

 自分自身のことを少し語ろう。

 今のマンションに竣工以来住み続けてきて、もう40年を超える。管理組合のことにも関わり続けてきて30年以上になる。

 だから、居住者が1000人をはるかに超えるマンションで物事を決める厄介さも、うんざりするほど経験してきた。どんな人がいればウチのマンションのどこでどんなことが起こるかも、たっぷり見てきた。もめ事が起こった時にどんな人がどこまで信頼できるか、傷つきながら否応なしに覚えてきた。そうした記憶が建物の古び方と重なりながら胸の中に溜まり続けてきた40数年だった。

 そんな実感を持ちながら40数年を経たマンションに相変わらず住み続けている。幸いにして、管理組合は健在だ。だから、今でも相応の形で管理組合活動には側面的に協力している。

 ・・・のだが、実は、この数年、いつも気になっていることがある。管理組合での話の通じにくさだ。以前なら説明抜きで誰にも通じた話が、今はどうも違う。そう感じる時に、同じマンションに住みながら世代差がいつの間にかこんなに大きくなってきたのかを実感せざるを得なくなってきている。

 この複雑な感想を抱きながらいつもひそかに思い続けているのは、竣工以来40年以上住み続けながら確かめてきた経験を心ある人にきちんと伝えておきたいということだ。

 でも相手が見つかりにくい。伝え方もわからない。

 だから、この実感は、今なお「経験」という個人レベルの認識のまま私の頭にくっついた状態のままなのだ。そこを何とかしたいのに。

 高齢者のマンション居住経験を管理組合の情報資産として活用してほしいと思っている高齢者は、ほかのマンションにもいるはずだと思うのだが…。

高齢者の居住経験を情報資産として活用する方法を見つけたいと考え続けているのだが

 マンション管理という課題の本当の重さは、そのマンションに住む人の問題に尽きる。法律論の観念や解釈の問題ではない。だから、マンション管理の実際の担い手となる管理組合にとっては、大勢の人が生活条件を共有しながら住む場所で起こる様々なことが、つねに現実的な課題になる。論より証拠、どこの管理組合でも理事会でどんなことが議題になっているかを考えればこの点に思い当たるだろう。

 だから、高齢者の長年にわたる居住経験は、管理組合がいま直面している問題のとらえ方やその問題の答えを探す考え方に有効な情報価値を間違いなく持っているはずだと痛切に思う。

 その意味で、高齢者の居住経験はつねに現実的に有効な判断の手がかり探しに悩む管理組合にとって必ず役に立つ無形の資産価値を持つはずなのだが・・・。
                         ☆
 こういうことを考えている高齢者は、よそのマンションにはいないのだろうか。
| muraitadao | コラム | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) |









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