村井忠夫のマンション管理ブログ

村井忠夫のマンション管理ブログ
マンションを国家だとすれば管理規約は憲法で…というお定まりの説明法はまだ成り立つのか
日経の世論調査でNOがYESを大きく上回る結果を見た驚き!!

 今どきこんな感覚の代議士がいたのかという苦々しさでニュースを聞いた6月26日。

 その数日後、日経の朝刊に出た世論調査を見て驚いた。

 1面の見出しには、こうある。『安保法案、成立反対57%/今国会 内閣支持、47%に低下』。2面はこうなっている。『安保法案、理解進まず/「違憲」56%「説明不十分」81%』。

 その調査結果をまとめた表の数字はこうなっている。『安保法案は憲法に違反=している56%/していない22%』『集団的自衛権の行使に=反対する56%/賛成する26%』『安保法案の今国会成立に=反対する57%/賛成する25%』『安保法案の説明は=不十分だ81%/十分だ8%』

 4項目のうち3項目でNOがYESを2倍以上上回っているし、もう一つは何と10倍を超えている。驚くような結果だが、これをどう受け取ったかについてのニュースは見落としたようで、まったくわからない。

 念のために重ねて書くが、朝日の調査ではない。ちなみに回答率は71.9%だというから、低くはないだろう。ついでに書くと、「原発再稼働」は支持が上昇して32%不支持が低下して55%とあるのが日経らしさを物語る。

以前は説明の定番だった「マンションは国家、管理規約は憲法、管理費は税、理事会は内閣、総会は国会」という言い方

 この記事を読んで思い出した。ちょっと前までマンション管理の仕組みを説明する時のお定まりだった言い方がある。「大勢の人が住むマンションを一つの国家に例えれば、約束事の基本となる管理規約は憲法、住みよさを支える管理費は税金、そのお金を使って仕事をする理事会は内閣、その顔ぶれを決める総会は国会に当たる」という言い方だ。

 昔はセミナーなどでもこの言い方をしたし、マンションに住んだことのない人や管理組合の組織運営経験がなくても法律に詳しい人も、よくこの言い方をしていたと思う。

 でも、私の場合、この言い方をしながら一方で頭の片隅にひっかかる思いがあった。

 マンションを国家に例えるのは適切だとしても、ほかのことは話どおりなのだろうか。総会は、本当に国会と同じようにみんな出てくるのか。理事会は、大臣をやりたい人が多い内閣と同じだといえるか、管理費は説明抜きの納入義務感覚に支えられる税金と同じだろうか、そして、管理規約は何十年も大事にしてきた憲法と同じイメージを持っているのだろうか・・・・。

 実情が言葉のイメージ通りでなくても、それはいい。でも、現実の管理組合の総会は委任状本位で形式化しているために欠席者がいない国会とはまるで違うではないか。やりたくない人ばかりが目立つ理事会は、成りたがる人が多い内閣とはまったく違うではないか。

 いちいち気にし始めたら、到底こんな言い方はできない。そう思うようになってから、この言い方はやめてしまった。

でも管理規約を憲法になぞらえるのはそれほど見当違いではない…と思っていたのだが

 ただし、管理規約については、少し違った。ルールや規範はそれ自体に存在意義があるのであって、守られないから意味を失うものではないからだ。ルールはルールだからこそ大事な意味を持つ。

 管理規約も、そこは同じだ。管理規約について認識不足の人が多かったり知っていながら守らない人が多くても、管理規約そのものの重要度は変わらない。

 管理規約には、そう言えるだけの論理的な正当性がある。その正当性は区分所有法に支えられ、その具体的な形は標準管理規約がモデルになっているのだから。

 管理規約が憲法になぞらえられるのはその存在意義に類似性があるからだ。それは70年近く守られてきた重みになぞらえられるからこそ、マンション生活の基盤確保を支える管理規約を憲法に当てはめたいという考え方だった。

 総会を国会になぞらえ、理事会を内閣になぞらえる言い方には白々しさや嘘くさい、ひけ目があっても、管理規約を憲法になぞらえる説明法にはそれなりの意味がある。長年そう思ってきた。
                                                                 ☆
でも、何だか,こう考えることが最近になって気になり始めた。管理規約になぞらえられる憲法も、時によっては考え方や見方が変わってしまうことがあるのかもしれないと、ふと思わせられるようになってきたからだ。

 としたら、管理規約だって似たようなことになるのではないか。憲法と同じ考え方ができるのなら、管理規約にもその時の都合や事情次第で別の考え方が当てはまって当たり前ということになるのではないか。
                                                                 ☆
 だが、現実には管理規約を改正する場合は、総会の決議要件が重い。だから、ほかの時よりも多くの賛成者が絶対要件になる。だから、管理規約改正のためには、なぜ改正しなければならないかという点の説明会や広報が欠かせない。

 賛成してもらうためには、まず理解してもらうことが絶対に必要だからだ。理解の手がかりとなる情報の提供が間違いなく重要になってくる。それも、時間と手数をかけた情報発信が。

 管理規約の改正は十分な説明がなければ実現しないのだ。
                                                                 ☆
 としたら、このところのニュースは、これから一体どうなるのか。とても気になる。
| muraitadao | コラム | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) |









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