村井忠夫のマンション管理ブログ

村井忠夫のマンション管理ブログ
形だけは・・・という手続主義。東芝も安保法案も新国立も。マンション管理は大丈夫か?
大きな川の岸で向こう側の光景を気にしながら眺めている気分。気がかりなのに橋がないから見ているだけ?

 暑い。2020年の東京オリンピックは7月24日から8月9日だそうだから、あと5年たつとこの暑い暑い熱帯のような日本でもいちばん暑いとっておきの季節にオリンピックが開かれることになる。汗だくで熱中症に気をつけてこまめに水分をとりながら、“お・も・て・な・し”をするわけだ。

 前の東京オリンピックは、秋だった。抜けるように晴れ渡った青い空の10月10日。確か、土曜日だった。あのころはまだ土曜日が休みではなかったから、後から開会式の様子はニュースで聞いたことが多かったのだが、あの日のさわやかな秋晴れだった記憶は今も鮮明である。東京オリンピックと聞けば《青く澄み渡った秋空》という連想は、今も頭に刻み込まれている。

 それにひきかえて、ここしばらくの暑さ。まさかと思うが、オリンピック、オリンピックと繰り返す人たちは、50年昔の、あのさわやかな秋晴れの日のイメージで東京オリンピックを考えているのではあるまいか。

 ・・・などと暑さも重なって、八つ当たり気味の気分でこのところのニュースを見る日が続く。

 新国立競技場の話が、もう、さっぱりわからない。誰が、何を、どう考えてこういうことになったのかという肝心なことが何もわからないままなのに、たちまち対策本部がすぐできたりする。浮き浮きとオリンピック、オリンピックと唱えている人の顔ぶれは、別に変わらないまま・・・。

 話が固まる手順手続きという形式条件だけは揃っていても、何が、どう決まったのかを説明できる肝心の人が誰もいない実態は、どうなっているのだろうか。

 東芝の不正会計の問題も何だか似ている。名門だの日本の代表的な会社だのと語られる東芝で、実は、話の進み方が形だけの辻つま合わせであって、話の要所要所にいたキーマンはシナリオどおりにストーリーを進めていただけだったらしい。表の形を見ていただけではわからない問題が内側に隠れていたともいう。今度のニュースを聞くと、今まで隠れていたものが見えてきたという感じになる。

そして、安保法案。これは、もう今も何だかほんとにわからない。「○○法案」とたった4字にまとめてられているもともとの法律は最初は10本だったと聞いていたのがこの頃では11本だという。10本だか11本だかの法律案はいったいどういうものなのか、正直なところ正確な名前さえおぼつかない。

 ちょっと前にできたテロ特措法の名前は全部で122字あって、当時「法律名 長さ日本一」という見出しの記事が出た。今度は、こんなのが11本もあるのだ。ちょっとやそっとの《丁寧な説明》では、国民の皆様にはとてもじゃないが、理解できない。

 それでも、法律は法律だから、手順手続きはちゃんと考えられている。結局シナリオ通りにストーリーが進められているだけの話だ。

 …というような感じでこのくそ暑いさなかに聞くニュース。どれも手の出しようがない話だが、いつかは巡り巡ってこちらにつけが回ってくる。それがわかっているから気になっているのに手の出しようがなくて、ただ我慢しながら眺めているしかない。

 大きな川の岸に立って、遠い対岸で繰り広げられている光景を気にしながら眺めている気分だ。見ている光景が気になって「何とかできないのか」と思うのに、橋がないから向こう岸にはたどり着けなくて、ただ見ているだけ・・・。

形だけ説明できても手順手続きのことだけではないか。肝心なのは関わった人間が信じるに足りたかどうかということ

 新国立、東芝、安保法案。一種の共通点がある。どれも話が進む上で手順手続きといった形式条件だけは一応揃っている点だ。仕組みの形はスタイルとして一応は整っている。だが、それは形式条件であって、その形式条件の核心には要所要所で適時適切な判断を下す人間がいるはずだった。信頼できる人物がいるから手順も手続きも意味を持つことになるはずだった。

 だが、実は、そうでなかったのではないか。とすれば、急所になる部分で、ことを判断する人間の信頼度に疑問がついたということになるのではないか。

マンションの管理組合の実情は別。間違っても「形だけ・・・」に終わってほしくないのいだが

 でも、マンションの管理組合の実情に目を転じると、この感想はもっと複雑になる。
                          ☆
 ほかでもない自分の住むマンションの住みよさが一定のレベルで確保されるように管理組合という組織が主役となる仕組みが用意されている。だからこそ、その管理組合が動けるようなルールもできている。

 もしルール通りに動けなければサポートする立場の管理会社がある。不慣れな人が多くて困るなら管理組合のそばにはマンション管理士がいる。

 ・・・などというのは、実は、みんな仕組みの話だ。

 素人には歯が立たないような難しい言葉が出てくる法律も、結局は管理組合という組織のあるべき理想的な姿を考えた上での仕組みであり理屈である。

 もし、管理組合の実情がそのあるべき姿からほど遠い状態だったら、こうした仕組みは形だけのことになってしまう。

 そこは大丈夫か。

 管理組合の実情をあるべき姿を前提とした仕組みと照らし合わせてみた時に、どんな状態が浮かび上がってくるか。

 マンション管理の理屈は、結局のところ放っておけない問題をどうするかという「物事決め方」に尽きている。マンション管理の仕組みも、帰するところはこの「物事の決め方」をめぐる手順手続きだ。でも、その仕組みの動かし方に関わるのは、実際上《ウチのマンションに住んでいる人たち》であって、手順手続きの仕組みが意味を持つかどうかはウチのマンションの人たち次第で決まるのではないか。

 管理組合は財産所有者団体だという前提でできた仕組みが、ウチのマンションの管理組合でどこまで役に立つかどうか。

 自分のマンションのことは、結局のところマンションに住んでいる自分たち自身にしかわからない。日本中どこのマンションにでも通用するように作られた仕組みのままでは、そこがどうなるのか、ウチのマンション特有の問題に対応できるのか。

 そこに気がついていなかったら、仕組みはどこまで意味を持つのか・・・。

形だけの手順手続きで答が見つからない問題にぶつかる日が怖い!

 形だけの手順手続きが揃いさえすればいいなら、委任状だらけの総会でもマンションの管理組合は動ける。

 管理組合が形式倒れにならなくて済む状態がどうか。形だけ辻つまがあっていても、説明しにくい結果になったらどうするのか。形だけの対応では手がつけられない問題が得てきたらウチのマンションは大丈夫なのか
                         ☆
 「物事の決め方」は、結果だけが意味を持つ。結果を問わぬまま手続きの点が間違っていなかったなどといくら言っても意味がない。手続きの中身が一番大事なのだ。そこを間違うと、いつかそのうち怖い問題が降りかかって来た時に手が付けられなくなるのではないか。
                         ☆
 新国立や東芝、安保法案。川の向こう岸の様子はとても気になるが、こちら側のことは、もっと気になる。
| muraitadao | コラム | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) |









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