村井忠夫のマンション管理ブログ

村井忠夫のマンション管理ブログ
【語り尽くされていないこと、見逃されていること33:自治体広報】築地・盛り土のニュースをさんざん見た後で東京都広報を読む心境の複雑、不安、不満、不快・・・

10月1日。むかし「東京市自治記念日」、いま「都民の日」の都政広報はいつもより一日早く届いたが・・・
 10月1日で85歳になった。

 私の誕生日は、昔、東京市の自治記念日だった。小学校は授業がなくて早く終わり、紅白の饅頭をもらえたのがとてもうれしかったことを覚えている。

 この日をいまは「都民の日」というらしい。自分が都民であることに気づく機会はそれほど多くないが、毎月1日に新聞折り込みといっしょに届く[広報 東京都 TOKYO  NEWS]が都民であることを思い起こさせるのは確かだ。

 タブロイド版カラー12ページの広報紙は、毎月1日に住んでいる狛江市政広報紙と一緒に届く。

 都政を巡ってはこのところ築地の盛り土問題の不可解さが連日ニュースで流れるのを見るにつけ、今度の[広報 東京都]はいったいどんな内容になるだろうかと、いつもより大きな関心をもって10月1日を待っていた。この日は、前記の通り「都民の日」でもあるし。

 と思っていたら、思いがけなく今回はいつもより一日早い9月30日に届いた。

 ちょっとびっくりした。都庁や都政への注目度が高くなっているから、きっといつもより早めに配布したのかもしれない・・。そう思ったが、思い過ごしだった。

 1面はリオ五輪の閉会式で五輪旗を引き継がれる都知事の写真。以下どの面も例月と変わった内容でもない。ところか、6・7面は見開き2ページで東京五輪の競技大会会場計画のカラフルな地図が出ている。五輪費用が3兆円を超えるという見方があって多額の費用を注ぎ込む競技場づくりを見直すかもしれない話はどうなるのかと思いながら見ると、そんなことはまるで関係ないねといわんばかりのマップになっている。

 いったい、この都政広報、あてにできるのだろうか。

面白くないが効果は無視できないのが「市政だより」や「区政ニュース」

 自治体の住民向け広報紙は、どこでも決まった形で発行されている。新聞スタイルが基本だが、今はネットで見ることもできる。報道ではなく広報が本質の《お知らせ》中心のお役所ニュースだから、正直に言ってセンスはないし面白いつくりにはなっていない。

 しかし、管轄エリア内の全世帯に配布する前提で発行されているから、情報の伝達効果は無視できない。こうした市区レベルの行政ニュースは記事の言葉や紙面のレイアウトもお役所感覚丸出しで垢抜けしていないものが多いが、内容は見過ごせない。ほかのソースではわからない情報が珍しくないからだ。テレビや新聞、雑誌のひたすら面白おかしい興味本位の情報と比べるととりわけそう思う。

 早い話、テレビのローカルニュースや新聞の地方欄は話題性の少ない実際的な情報源としてほとんど役に立たないから見落としても別に何も困ることはないが、市政だよりや区政ニュースは見ておいた方がいい。即効性のある情報の発信源になるのだ。

それにしては十年一日のごとき自治体広報。伝える内容と伝え方に再検討が必要ではないか

 だが、こうした自治体発の情報はどこのものを見ても十年一日の感がある。決まりきった内容を決まりきった形でまとめ、昔から決まっている日に新聞の折り込みと一緒に配布される。

 昔と違うのはインターネットで見られる程度のことだろうか。

 でも、インターネットなど見ないという高齢者も少なくない。では、そういう人も新聞ぐらいは読んでいいるだろうといえるか。もはやそんなことは言えない状況になっている。

 となると、こうした自治体の広報紙は、いったいどういう方法で誰に届くと考えて作られているのだろうか。自治体が想定しているのは、いったいどんな読者像なのか。どんな届き方なのか。

 情報の受け手の変化に対応した伝え方は、今も昔のままでいいのか。
                   ☆
 マンションの場合に焦点を絞ろう。マンションでは、いまや新聞を読む人が半分もいない。だから、新聞をとっていない人には新聞折り込みといっしょの配布方法では行政情報が届かない。新聞を読まない人は特定の年齢層に限られない。老若男女を問わず新聞と縁がない人が増えている。

 こうした実情を今まざまざと実感しているのが、管理組合の広報だ。長らくの間、単純に新聞をモデルとして想定されてきた管理組合の広報はいま存在感が、今とみに薄らぎ始めている。高齢者と活動期の若者が隣り合って住み、エレベーターで外国人と乗り合わせるマンションで、物事を伝えるという組織の基本的な機能を持つ管理組合の広報がどういう方法をとればいいか、不安と疑問に直面する状態が増えている。

 何かを知らせようとするときに、《どんなスタイルで、どんな言葉で、どの程度まで伝えるか》という基本的な部分で、もはや新聞がお手本にはならなくなっているのだ。
                   ☆
 だが、行政も学界も関連業界も、そして当の管理組合関係者も、そんなことにはかけらほども気がついていない。マンション管理の世界では、相も変わらず法律感覚の議論が中心で、伝えるとか知らせるといった情報伝達の議論など見聞きしたためしがない。

 仕組みを「作る」ことだけで、作った仕組みを「伝える」ことは誰一人として念頭にない。
                   ☆
 自治体の住民向け広報を見るにつけ、気になって仕方がない。自治体発のお役所ニュースとマンション管理の広報。どちらも、まだ揃って似たような成り行きをたどり続けるのだろうか。
 

| muraitadao | コラム | 15:50 | comments(0) | trackbacks(0) |









http://murai.realestate-jp.com/trackback/991809
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< August 2018 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
  • 【番外】11年目。公開遺言のつもりでブログを書き続けます
    マンション・チラシの定点観測 (11/26)
  • 文庫本より重くて330ページもある箱入りの「東京防災」という本が届いたが、さて・・・
    村井忠夫 (12/07)
  • 文庫本より重くて330ページもある箱入りの「東京防災」という本が届いたが、さて・・・
    尾下 義男 (12/07)
  • 文庫本より重くて330ページもある箱入りの「東京防災」という本が届いたが、さて・・・
    村井忠夫 (11/23)
  • 文庫本より重くて330ページもある箱入りの「東京防災」という本が届いたが、さて・・・
    尾下義男 (11/23)
  • 2年半ぶりでメンバーも変わって再開のマンション管理検討会、たった1か月で結論を出すとは・・・・
    とおりすがり (04/24)
  • 最新の「マンション総合調査」から読めること、読めないこと
    村井忠夫 (09/06)
  • 最新の「マンション総合調査」から読めること、読めないこと
    まるーべり (09/06)
  • 都議ヤジ問題の本当の理由は議員の当事者感覚の貧しさ
    村井忠夫 (06/26)
  • 都議ヤジ問題の本当の理由は議員の当事者感覚の貧しさ
    ポリス (06/26)
+ RECENT TRACKBACK
  • 「沈黙は賛成じゃない」という論理。選挙や総会では?
    マンション管理の情報屋。。。 (09/22)
  • マンションの中の喫茶店が話題になる・・・・:マンションの共用空間の新しい意味をもっと考えていいのではないか
    神園良輔の『マンション展望』 (05/05)
  • マンガ説明入りの規約解説本があってもいいじゃない?でも実際には簡単にいかないけどね
    マンション管理士情報ナビ (05/27)
  • マンガ説明入りの規約解説本があってもいいじゃない?でも実際には簡単にいかないけどね
    マンション管理士情報ナビ (05/27)
  • 女児マンション転落事故のニュースが浮かび上がらせたこと:どこのマンションでも同じことが起こる可能性にどれだけの人が気づいているか
    MANSIONS-COMMUNITY blog (04/15)
  • 「億ション」は最高が1億円なのか、最低が1億円なのか、それとも・・・:管理の基本原則は何億円でも関係ないが
    マンション展望 (02/16)
  • 「美しい国」で、これ以上「美しくないこと」が起こらないように:もっと集合住宅に住む不安を減らすための議論を
    マンション展望 (12/01)
  • 8年前の2月、国会でマンション管理をめぐる史上初の議論が行われた。そして、昨日の朝刊には・・・
    NONブログ (11/27)
  • 書名は買い手にとって本のすべて。本の名前と内容はなるべくなら、あまり違わない方がいいと思うのだが・・・
    高層マンション (08/27)
  • 新しい住宅が建たなくなったというニュースの怖い連想:暗い窓ばかりのマンションが思い浮かぶ・・
    マンション展望 (08/25)
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ LINKS
+ PROFILE