村井忠夫のマンション管理ブログ

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【語り尽くされていないこと、見逃されていること40:当事者感覚】他人事視線で物事に向き合うところからは何も生まれない!!

新年度予算編成、オリンピック費用、オスプレイ墜落、形だけのカジノ論議・・・

 この年末の糸魚川大火で胸をつかれている中で聞く新年度の予算編成オリンピック費用の小田原評定であの「お・も・て・な・し」騒ぎのころ実は大事なことが何も決まっていなかったという不信感、オスプレイ墜落で《落ちられる側の恐怖感》より《落ち方上手の判断力》を誇るアメリカ軍人に何も言わないニッポン、賭けマージャンで開き直る福岡県飯塚市長の記者会見の頃になると、もうニュースのあとかたもないカジノ法・・・。

 もっともらしいことをベラベラと並べ立てる人たちがこちらには手の届かないところで繰り広げている数え切れないほどの分かりにくいニュース。今年もひどい一年だったな・・・。

 でも、そう思いながら、どこかに浮かんでくるのだ、こんなこと、前に何度もあったなという嫌な既視感が・・・。この既視感は、いったい何だろう。

 思い当たることが一つある。たぶん、それは当事者感覚の欠落ではあるまいか。
                   ☆
 当事者感覚。他人事とは思えない感覚。自分だったら一体どうするだろうかと思う切実な感覚。

 この感覚がなければ他人事(ひとごと)になる。あ、そう、そりゃ大変だ。ま、せいぜい頑張ってね・・・という程度の冷たい感覚になってしまう。わが身のこととして考えないのだから、切実な実感があるはずもない。痛くもかゆくもない空っぽでツルツルしたCMまがいの言葉だけが並ぶ大雑把な感じになる。

 少子高齢化など忘れたような一億総活躍だの、本当は死んでしまいたくなるほどぎりぎりまでの《働かせ方》の問題なのに働き方改革だの。

 一見して誰にも通用するように見えながら、実は誰にもピンと来ない上っ面の言葉だけでモノを考える政治家やジャーナリストが多いから、オリンピック費用の小田原評定やカジノで経済が良くなるといったわかりにくいニュースが並ぶのではないか。

想像力が乏しい人ほど当事者感覚が鈍くなる

 分かりきったことを敢えて言うのだが、こうしたニュースが伝える問題の当事者は、ほかならぬ、われわれ納税者だ。

 いま総務大臣を務めている高市何とかいう人の名前を覚えたのは、もう30年近く前に「週刊ポスト」で読んだ「アズ・ア・タックスペイヤー」という連載コラムのライターとしてだった。《結構いいこというなぁ》と思わせたものだったが・・・。

 新年度予算は、有無を言わせぬ形で税金を払う誰もが当事者になる。オリンピックは、スポーツをやるかやらぬかに関係なく税金を納める人がいるから開催できる。カジノは、ギャンブルにまったく無縁であっても税金で動く公けの仕組みがいろいろな形でわれわれにつながってくる。・・・

 みんな納税者が、当事者だ。

 それなのに当事者感覚がこんなに薄らいでしまうのは、なぜなのか。

 それは、こうしたことを言葉の理屈だけでしか理解できないからではないのか。「こういうことがあって、こうなる」という理屈の言葉を示す文字だけが並んで、具体的にどんな光景で展開するかというリアルなが頭に浮かんでこないからではないのか。

 要するに想像力があるか、ないかの問題ではないか。そんな想像力の貧しい人が政治を動かし、政治を語っているのではないか。

 わかった顔でわかったようなことをいう当人が、実は何もわかっていない見っともなさに気づかないのも、想像力が貧しいからではないか。

住んだことも管理組合の実感もなくたってマンション管理の理屈は語れる理由

 マンションの、とりわけマンション管理の仕組みを考えると、こうしたことがうんざりするほどあてはまる。

 マンションに住んだこともないし、まして管理組合のことなどまるで経験していないが、そんなことは全く気にも留めず《理屈で言えば・・・》という感覚で、仕組みを考え、現実離れに気づかぬまま能天気なことを言ったり書いたりする人が、ますます多くなったことを痛感する一年だった。

 世の中で起こることは、必ずマンションでも起こる。

 来年は、ますますこの実感が深くなるはずだ。

| muraitadao | コラム | 10:36 | comments(0) | trackbacks(0) |









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