村井忠夫のマンション管理ブログ

村井忠夫のマンション管理ブログ
【語り尽くされていないこと、見逃されていること47:年度末】誰が決めたか判らなくても影響だけは永続するマンションの「年度」

うちのマンションの「年度」は何月から何月まで?
こんなことが不可解なミステリーとなるわけは?

 どこかのマンションで「お住いのマンションの年度は何月から何月ですか」と尋ねたとする。《そんなわかりきったことをなぜ?》という人もいるだろうが、一瞬言葉に詰まる人もいるはずだ。

 さらに続けて「では、その年度は、いつ、誰が決めたんですか」と聞くと、聞かれた人の反応はもっと複雑になるだろう。

 マンションの「年度」が何月から何月までかということなら、管理規約で確かめられる。ほとんどのマンションでは標準管理規約にある《管理組合の会計年度は、毎年〇月○日から翌年〇月○日までとする》という簡単な定め方をそのまま使っているはずだからだ。ここまでは、わかりきった話である。

 そう言えなくなるのは、その〇月○日を決めたのがいったい誰なのかという点だ。決めたのは管理組合か。理屈でいえば、そうなる。

 しかし、実情は違う。

 普通「年度」といえば、4月から翌年3月までを指す。世の中の根幹となる公的な仕組みが公的な予算制度による会計年度で決まっており、学校や就職、人事異動などが4月1日付となるからだ。

 そうなれば、マンションの生活もいや応なしに影響を受ける。だから、マンションの年度が10月からとか1月からという4月以外の月からになっていると、細かい点で不都合が生まれてくることが多い。

 その影響は大小さまざまで、実際上は慣れてしまえば何とかなる場合も多いから、こういった年度の決まり方を見直そうというところまで行くことは滅多にない。

マンション管理の仕組みを決める条件は今も同じまま成り立つのか。全戸完売まで何年かかっても

 年度が12か月を前提としているのだから、年度始めと年度末は、きちんと決まっていなければならない。その前提はお金の取り扱いの仕組みという位置づけである。それが証拠には、標準管理規約でも年度は「会計年度」として第7章の中ほどに出てくる。

 言葉としては会計制度の仕組みだが、そのお金を使う事業目的が切り離せないから会計年度は事業年度と一体の仕組みとして考えることになり「会計年度」は単純化して単に「年度」と呼ばれることになる。

 だから「年度」は事実上「役員」任期や取り組まなければらならない仕事のイメージに重なることになる。結局、そのマンションの管理全体につながってくるから「年度」は管理組合全体に関わる最も基本的な条件になる。

 だが、それほどの基本条件は、ずいぶん前に決まった制度の趣旨を今も昔と同じまま生かせる形で実現できているか。

 出来てはいまい。

管理組合成立は全戸完売の時だというが、その全戸完売はいつ?

 売り出されたマンションの管理の主役であり当事者は管理組合しかない。その管理組合は区分所有法によって区分所有者全員の団体とされているが、実際に生身の人間集団として活動する組織として動くためには、やはり全戸完売という状況の実現が欠かせないだろう。

 その点を考えると、いま新築分譲マンションが売り出されても買い手が付かぬまま全戸完売まで中途半端な状態が長引く傾向が目立つのは、とても気にかかる。

 何度もこのブログに書いてきたが、前から、新聞と一緒に届く新築分譲マンションの折り込みチラシのデータを残さず記録し続けている。発売されたマンションのチラシ配布日、配布回数、チラシ記載の物件概要全データを世田谷区、調布市など東京都城南エリアごとに記録している。

 このエリアはいま新築分譲マンションの中心市場となる首都圏の中心地域だから、時たま思い出したようにメディアが伝える東京湾岸エリアの超高層マンションの断片的なニュースなどよりも実情がよくわかる。

 この方法で、全戸完売に日数がかかるマンションの実情が売れ方の一端を紹介しよう。

 地域は世田谷区とだけ書くが、60戸にも及ばないマンションでチラシ配布回数20回、配布期間がこの2月まで1年4か月かかった例がある。このマンションのすぐ近くにあるほぼ100戸のマンションは、10年近く前にチラシを3年近く53回にわたって配布し続けてきた。

 いずれも私の住むエリアの徒歩圏内だから、外観や近隣の様子は目撃してよく知っている。

 全戸完売までこんなに長くかかるマンションの年度は、いったい何月から何月までなのだろうか。その年度は、誰が判断して決めているのだろうか。

 こういうことを、どこかで調査しているのだろうか。
                   ☆
 年度末の3月になると、もう昔からこのことが気になってきた。今年も、また、気にかかる。
 

| muraitadao | コラム | 12:03 | comments(0) | trackbacks(0) |









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