村井忠夫のマンション管理ブログ

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【語り尽くされていないこと、見逃されていること53:憲法】マンションは国、管理規約が憲法、総会は国会・・と説明できたよき時代

憲法が生まれて3年過ぎたころ朝鮮動乱が、その数日後に空襲警報が・・・

 4月末から5月にかけて北朝鮮のミサイルがどうだとかこうだとか、けっこう気になるニュースが続いている。

 そんな中で迎えた憲法70年の節目。

 憲法ができた時代。今にして思えば、本当に、もう何もない時代だった。

 テレビなど、まだ先の先。電話などもまだ身近なところにはなかった。いま何が起こっているのかを知る手がかりは新聞とラジオだけ。4ページぐらいしかない新聞と「NHK」といういいかたもなかったラジオが流す数分間の短いニュースしかなかった。ニュースの後に「尋ね人の時間」なんていうのもあったっけ・・・。

 そんなニュースには、やたらにGHQという字が出てきた。GHQ、つまり連合国軍最高司令部。だが、連合国といっても普段あちこちで目にするのはジープに乗ったアメリカ兵ばかりだった。

 手紙や葉書はすべて検閲されていた。名前さえ隠したがる人もいる個人情報過敏の現在では、とてももう理解不可能な仕組みが当たり前の感じだった。

 新憲法ができて2年ほどたった6月下旬に朝鮮動乱が起こった。「動乱」なんていうが、戦争じゃないか。ちょっと前の「事変」だってれっきとした戦争だったし・・などとと考えていた数日後の夜、空襲警報が出た。戦争は終わったはずなのに何でまた・・・。

 にわかにGHQという3文字がリアルになった。
 ・・・・・・・・・・・・・・
 きりがない。ここまでにしておこう。

マンションは「国」、総会は「国会」、管理規約は「憲法」・・という説明が納得できた

 昔々のことを考えているうちに思い出したのは、30年以上前、マンション管理がまだ本当に何もなくて手がかりも何もいない時代によく使われた言い方だった。

 《一つの建物に大勢の人が住むマンションを国のようなものだと考えれば、管理規約は憲法、総会は国会と同じです。⦆

 大抵のマンションはまだまだ新しくて管理がどうだなどと考える人はめったにいなかったが、そんな時代でも、マンションは建てられた時代に対応して間違いなく古びていくことに気づく人は、やはり、いた。そうした人たちは、長寿命のマンションで『管理』という課題にかけがえのない重みがあることをいつも考えていた。

 今にして思えば、そういう人たちは先見の明があったと実感する。しかし、その分だけ苦労が多かったことも間違いない。

 マンションの管理が組織レベルの集団的な課題である以上、管理の意味を自分一人だけが知っていてもまったく意味がない。自分の知っていることを実現するためには自分の周辺の人にも管理の意味の重さをわかってもらうことが絶対に必要だった。

 そうした状況で、まだ《わかっていない人たちをわからせる》時に使われたのが、「マンションは国、管理規約は憲法、総会は国会」という説得表現法だった。

 だが、最近はもうこういういい方をする人が少なくなったような気がする。

 なぜだろうか。

 マンションは国・・・などといっていた時代、マンションも、そこに住む人もみんな一様で変わりがなかった。一つの言葉で思い浮かべるイメージはみんな同じだったから、わかり方も変わらなかった。

 よかったな、あのころは・・・。

 今は、そこが違う。

 マンションは大きさや建て方に始まって築後年数も様々になった。分譲マンションの入手目的も自己居住だけでなく投機手段にもなる。区分所有者イコール居住者とは限らない。その居住者が日本人だけでないことも珍しくない・・・。

 そんな状態で、昔と同じ気分で「マンションは国、管理規約は憲法・・」などと単純ないい方はもうできなくなったような気がする。

 だが、それは、もうマンションだけのことではなくなった。

 マンションがなぞらえられた国、管理規約がなぞらえられた憲法、総会がなぞらえられた国会。

 どれもイメージは多様化して一つの言葉ではとてもいい尽くせなくなった。

 あのころは楽だったな・・・。
                   ☆
 だが、あのころマンション管理が成り立つ仕組みの大前提となっていた考え方は、今もまったく変わっていない。

 ●マンションは賃貸と分譲にわかれる
 ●その区別は区分所有者になるかどうかだけであって居住者かどうかではない
 ●だからマンション管理の大原則はいまも区分所有法である
 ●だからその大原則に沿った標準管理規約がデファクトスタンダードになる
 ●どんなマンションも一戸建て住宅と同じ個人資産である
 ●集合住宅であるマンションに欠かせない集合居住という視点は考えなくてもいい

・・・・・

 何だか気になる。今もこのいい方は当初と同じ意味のままで成り立つのか・・・。

 まだまだ、いくらでもある、まだまだ言わなければならないことが、たくさんある。まだまだ、一人でも多くの人に知らせたいことが尽きぬほどある。

 機会をあらためよう。
 

| muraitadao | コラム | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) |









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