村井忠夫のマンション管理ブログ

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【語り尽くされていないこと、見逃されていること67:聞く・答える】小学生でも知っている「集団で物事を決める時の大前提」だが

「わからないから聞く」→「わかるように答える」という流れを軽視した時に怖いことが起こる

 もうヤブから棒の感じで、解散とか総選挙とかいうニュースがいきなり流れ始めた。

 よく分からなくて首を傾げているうちに、憲法のどこの決め方の案づくりが、どこだかへの一任で決まる、とかいう話が重なったりして、ますます分からなくなってきた。

 何かあると、この頃の政治家は《丁寧な説明》というのが口癖で《丁寧の上にも丁寧に》とか《真摯に》とか簡単にいうが、実際に「丁寧な説明」なるものを聞いたためしがない。

 ときどきペラペラと早口にテレビのCMまがいの安っぽい言葉が並ぶ演説のニュースを聞いた当座は、それらしい気分にさせられるが、しばらく時間がたつと、はて、さっき何となくわかった気分になった「あれ」はいったい何だったのか…という感じに入れ替わってしまう。
                   ☆
 分からないことがあれば、聞く。それに答える。そのやり取りを重ねて「分からないことが分かる」ようになる、という実に平凡で当たり前の流れが、このごろ、とてもヘンだ。

《当たり前のことがさっぱり分からない》ことが当たり前になってきたのではないか。

 このヘンな感じが日常生活の次元であればとるに足らぬことだろうが、何かを決める場合になると、そうも言ってはいられなくなる。決めようとしていることが重ければ、なおさらだ。

YESだかNOだかわからぬまま黙っている多数も事実上決定には関わる「暗黙の了解」の怖さ!

 いつの間にか、「聞く」ことと「答える」ことが対応しなくなってきているような気がする。

 テレビの記者会見などを見ていると、「聞く」方もヘンだし、「答える」方もヘンだと思うことが多い。聞かれたことにちゃんと答えていないことは、もう日常茶飯で珍しくもない。

 だが、「聞く」ことと「答える」ことの対応関係が物事を決める時の大前提であることは、確かだ。

 何かを決めようとして分からないことがあれば、まず「聞く」。聞かれた方は、それに「答える」。この対応の積み重ねで、大抵のことが決まっていく。家族内のことでも組織のことでも。
                   ☆
 しかし、これが自分の身辺から遠ざかるほど、何となく違ってきているような気がする。とりわけ、自分が属している組織レベルのことになると、そう思う。

 いま自分が関わっていることは知っていても、別に、自分にとって何も影響がない、何がどうなろうと、自分がすぐ困ることなどないという感覚。

 こういう人の場合、聞いたことに納得できていようと疑問があろうと、別に大したことではない。だから、聞くことがなくても、別にどうということはない。

 しかし、かと言って、それほど納得しているわけではない。逆に、そんなに反対しているのでもない。

 よくわからないのだが、何となく・・・という実に曖昧模糊とした状態。これが、今の時代にはとても多いのではないか。

 でも、何かを決める時には、そんな曖昧模糊とした人たちにも、一応は意向のほどをきちんと聞かなければならない。多数決原理の民主主義的意思決定には、メンバーが曖昧模糊かどうか、などということはまったく無関係だからだ。

 かくて賛成でもないし反対でもない曖昧な状態で大多数の人が黙ったまま、形だけは「聞く」手順を踏んで物事が決まっていく。

 その結果、《とくに反対もないから》という考え方で、みんなが《わかった》、つまり同意して了解したという暗黙の了解が成り立つことになる。

 形式的な集会決議、惨憺たる低い投票率の選挙・・・。

 内容は別として形だけは何とか…という例が、こうしてあっちにもこっちにも並ぶようになっているのではないか。

「聞く」「答える」の対応状況を再点検した方がいい。マンションで物事を決める時ももちろん

 「聞く」ことは、決めなければならぬ事柄に自分が目を向けているからこその話だ。目を向けていなければ、聞く気など起こりようがない。

 そう考えると、聞くことの前提は《聞くベきことの中身をまず「知る」こと》にあると気がつく。

 しかし、今の時代、「知る」ことは実際には「知らされ方」の問題でもある。

 賛成でも反対でもない、そんなことどうでもいいよという考え方は、知るべきことをきちんと知らされているかどうかとどうかの反映でもある。
                  ☆
 「聞く」から「答える」。「答える」から「わかる」。「わかる」から「決められる」。この対応関係は、いま大丈夫なのだろうか。

 聞くたびに気になって仕方がない。北朝鮮のニュースも、解散総選挙の話も・・・。
                   ☆
 そして、マンションの民泊の話も、標準管理規約の改正の意味も・・・。
 

| muraitadao | コラム | 11:28 | comments(0) | trackbacks(0) |









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