村井忠夫のマンション管理ブログ

村井忠夫のマンション管理ブログ
【あらためて「マンション管理の常識」を見直すと・・3】まさか国会でマンション管理のことが・・20年前の2月がすべての始まりだった

国会の、それも衆議院の予算委員会でマンション管理のことが質問されたって?そんなことあるはずないじゃないか・・・

 2月になると、必ず思い出す。1999年(平成11年)2月4日の国会の衆議院、それも予算委員会で分譲マンション管理の問題が議論されるという、それまで誰も考えなかったことが起こったからだった。

 そんな話、あるわけないじゃないか・・・。

 国会でマンション管理の話が出るなんて、そんなはずない。何かの間違いに決まってる。

 でも、間違いではなかった。分譲マンションの管理の仕組みについて現実的な視点で具体的なやりとりが展開されたのだ。

 その記憶は、ちょうど20年過ぎた今も鮮明に残っている。

 それぐらい思いがけなかった。

 実際、あの時の質問がきっかけでマンションをめぐる様々な動きが起こり、マンションという言葉を名称に取り入れた「マンション管理適正化法」が生まれ、この法律による国家試験資格としてマンション管理士などが生まれることになったのだから。

 当然マスコミの視線も一変した。それまでとは豹変した感じの視線が、にわかにマンションの管理に向けられた。テレビも新聞もマンションの管理のことを連日にわたって取り上げた。ある全国紙は、社説でマンション管理のあるべき姿を堂々と論じ立てた。たぶん、社説でマンション管理が論じられたのは日本新聞史上初めてだったのではあるまいか。

 雑誌や単行本にもみるみるうちにマンション管理ブームが広がり、神田の書店街ではマンション管理コーナーまでが売場に特設される光景まで現れた。

 住宅ローンで付き合いがあった新聞や雑誌が、ひっきりなしに電話をかけてきた。テレビやラジオもそうだった。電話で聞いただけでわかったつもりになられると困るし、それがまた新しい問題になりかねないから、きちんと取り上げるつもりならこちらに来なさい、それが嫌だったらもう細かい話はしないから・・とはっきり言ったこともあった。

 でも、こんなにざわめいた様子が長続きするはずがないと思っていた。果せるかな、この熱っぽさは短命だった。その後のことは書くまでもあるまい。

368万戸から644万戸へ。20年間でこれだけ増えたマンション。今や超高層も珍しくはない時代となったが・・・

 国交省の「分譲マンションストック戸数」のデータで見ると、この20年間でマンション戸数は368万戸から644万戸と276万戸の増加となっている。これだけのマンションは規模や立地など様々に違うはずだが、過ぎた年月に対応して古くなっているのは間違いない。

 そんなマンションで、大規模修繕工事とか長期修繕計画などはどうなっているのだろうか。マンションは良きにつけ悪しきにつけ、経過年数が長くなるほど居住性のレベルが下がりやすくなるが、管理の様子はどうなのだろうか。

 空き家は?
 高齢化は?
 外国人は?
 大災害は?
 ・・・・
 そして
 管理組合は?
 管理会社は?
 マンション管理のプロたちは?

 東日本大震災もあったこの20年間で未経験のことが一気に増えたと、あらためて思う。マンション管理の世界は、ある意味で経験原則が重視される分野だ。それだけに、在来の総論原則では手に負えない物件ごとの問題があると固有の練達した経験があっても立ち向かえなくなることが昔から心配だったし、今もそうだ。

 大震災など未曽有の自然災害に超高層マンションの増加という言葉から浮かび上がるシーンは次にどう展開していくのか。経験に裏付けられた予測ができない不安を否定できない。
                   ☆
 マンションが建てられれば、その数だけマンション管理の対応度の必要性が大きくなる。何年たってもマンションがマンションとして同じ場所に建ち続けるのは管理の裏付けがあればこそだ。その意味で言えば、マンションの管理はあくまでも居住性の確保に視線を向け続けてきた経験の集積だと断言していい。

 管理という課題は過ぎていく長い年月の経過への対応なのだ。マンション管理の本質は、物件ごとに固有の居住者としての経験に支えられた時に、初めて真価が実現する。短時間で通り過ぎる旅行者の滞在経験と、長年月にわたる居住者の生活経験は基本的に違うからだ。
                   ☆
 大丈夫なのか。

| muraitadao | コラム | 10:10 | comments(0) | trackbacks(0) |









http://murai.realestate-jp.com/trackback/991890
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2019 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
  • 【番外】11年目。公開遺言のつもりでブログを書き続けます
    マンション・チラシの定点観測 (11/26)
  • 文庫本より重くて330ページもある箱入りの「東京防災」という本が届いたが、さて・・・
    村井忠夫 (12/07)
  • 文庫本より重くて330ページもある箱入りの「東京防災」という本が届いたが、さて・・・
    尾下 義男 (12/07)
  • 文庫本より重くて330ページもある箱入りの「東京防災」という本が届いたが、さて・・・
    村井忠夫 (11/23)
  • 文庫本より重くて330ページもある箱入りの「東京防災」という本が届いたが、さて・・・
    尾下義男 (11/23)
  • 2年半ぶりでメンバーも変わって再開のマンション管理検討会、たった1か月で結論を出すとは・・・・
    とおりすがり (04/24)
  • 最新の「マンション総合調査」から読めること、読めないこと
    村井忠夫 (09/06)
  • 最新の「マンション総合調査」から読めること、読めないこと
    まるーべり (09/06)
  • 都議ヤジ問題の本当の理由は議員の当事者感覚の貧しさ
    村井忠夫 (06/26)
  • 都議ヤジ問題の本当の理由は議員の当事者感覚の貧しさ
    ポリス (06/26)
+ RECENT TRACKBACK
  • 「沈黙は賛成じゃない」という論理。選挙や総会では?
    マンション管理の情報屋。。。 (09/22)
  • マンションの中の喫茶店が話題になる・・・・:マンションの共用空間の新しい意味をもっと考えていいのではないか
    神園良輔の『マンション展望』 (05/05)
  • マンガ説明入りの規約解説本があってもいいじゃない?でも実際には簡単にいかないけどね
    マンション管理士情報ナビ (05/27)
  • マンガ説明入りの規約解説本があってもいいじゃない?でも実際には簡単にいかないけどね
    マンション管理士情報ナビ (05/27)
  • 女児マンション転落事故のニュースが浮かび上がらせたこと:どこのマンションでも同じことが起こる可能性にどれだけの人が気づいているか
    MANSIONS-COMMUNITY blog (04/15)
  • 「億ション」は最高が1億円なのか、最低が1億円なのか、それとも・・・:管理の基本原則は何億円でも関係ないが
    マンション展望 (02/16)
  • 「美しい国」で、これ以上「美しくないこと」が起こらないように:もっと集合住宅に住む不安を減らすための議論を
    マンション展望 (12/01)
  • 8年前の2月、国会でマンション管理をめぐる史上初の議論が行われた。そして、昨日の朝刊には・・・
    NONブログ (11/27)
  • 書名は買い手にとって本のすべて。本の名前と内容はなるべくなら、あまり違わない方がいいと思うのだが・・・
    高層マンション (08/27)
  • 新しい住宅が建たなくなったというニュースの怖い連想:暗い窓ばかりのマンションが思い浮かぶ・・
    マンション展望 (08/25)
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ LINKS
+ PROFILE