村井忠夫のマンション管理ブログ

村井忠夫のマンション管理ブログ
【マンションに住む実感を確かめるノート 杠も覚えている住み始めた時の不思議な実感。これがマンションというものか・・・〜45年前には考えたこともなかったことばかり〜

あわただしく決めて入居したマンション。45年はアッという間だったが実感は一口に言い尽せない

 このマンションに住み始めたのは1974年(昭和49年)4月1日だった。
 43歳だった。成り行きで勤め始めた住宅金融公庫で19年目。万博の終わった直後に転勤した大阪勤めが3年目に入る直前になって、また東京に呼び返された。

 住宅金融公庫は住宅問題に直面する人々が「自分の家」を確保するための資金づくりのバックアップ機関だったが、その仕事に携わる当の人間が自分の住宅を確保しなければならなくなってもまったく何一つお構いなしだったから、東京勤務で必要な住まいはすべて自分で探せという話があっただけだった。

 住まいの確保に苦労する人と同じ苦労をすればその経験が仕事の支えになるのは間違いないのだから、自分自身でこういう苦労を経験してみることは決して無駄ではない・・・。

 わかったようなわからぬような、そんなことを言われたっけ・・・。

 理屈はともかく自分が住む所を大急ぎで何とかしなければ、たちまち困ることははっきりしている。

 だから、仕事のあいまにカレンダーに何度も目を向けながら心当たりのあちこちに声をかけた。

 そんな時に聞きこんだのが都下某市の民間マンションでキャンセルが1戸出たという話だった。

 どうしようかと思い悩んだりしている状態ではなかったから、すぐ申し込んだ。

 そんな決め方で住み始めたマンション。45年前だった。

いろんな人が住んでいた45年、人は様々と思い知った45年

 わかりきったことを正確に言えば「今も人が住んでいるマンションの45年」である。マンションが建てられた時のまま「住居としてマンションであり続けてきた45年」だ。多摩川のこちら側、新宿まで30分足らずだが、東京の田舎だったこの辺りにどんどんマンションが建ち並ぶようになった45年でもある。
                   ☆
 何十年も前、毎朝、黒塗りの車が迎えに来る偉そうな人が住んでいた。めったに顔をみることもないままだったが、いつの間にか見かけなくなった。・・・と思っていたら、国会議員になったらしいと、後で聞いた。建設省の官僚だったらしい。

 そう言えば、高名な作曲家や劇作家もいた。難しそうな顔の大学の先生もいたし、まるで能天気な人もいた。

 管理組合の集まりなどで会うことは一度もない人ばかりだったが・・・。

 でも、600戸の大半は普通の人たちだった。そんな普通の人たちも、45年たてば様子が変わっていく。

 それを思い返した時の実感はかなり複雑にして多様である。だが、その実感を通して、マンションが紛れもなく「人の住まい」であることを確かめさせる記憶がいくつも浮かび上がってくる。

かつては言葉を知っていただけの管理組合が身近になってきた竣工後10年のころ

 もともとは商品名だったマンションという600戸の集合住宅に住むようになり、いつのまにか10年を迎えようとしていた。分譲マンションには管理組合というものがあるという程度のことは何人かの人が知ってはいたが、「町内会と同じようなものだね・・」というレベルの認識だった。

 名ばかりに近い管理組合でも時折り役員が集まる程度のことはあったが。そんなところで「マンションは竣工後10年目になると大掛かりな外壁塗装工事をしなければらないらしい」という話が出た。

 しかし、そんな話が出ても具体的にどうしたらいいか肝心なことがわからない。

 何回も話し合ったが、見当もつかないまま、どうしたらいいかという相談が舞い込んだ。

 思えば、これがマンション管理という底の知れない分野へ足を踏み入れたきっかけになった。

| muraitadao | コラム | 19:19 | comments(0) | trackbacks(0) |









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