村井忠夫のマンション管理ブログ

村井忠夫のマンション管理ブログ
【マンションに住む実感を確かめるノートΑ曄屮泪鵐轡腑鵝廚鮴睫世任る人なんていないのでは〜「マンション」が馴染まれるまでの長い年月〜

「マンション」って一体、何だ?誰もが持て余した問いかけ

 住み始めて10年がアッという間に過ぎた頃から、何かにつけて頭に浮かんでくる一つの実感があった。その実感を言葉にすれば、「マンションって、何だ?」という問いかけになる。

 住宅金融公庫の務めもかれこれ30年が過ぎようとしていた。国営住宅ローンというビジネスを通して、住宅の世界の様子も一通りの見当がつくようになっていた。「住宅金融公庫三十年史」を書かされることになったという事情もあった。

 そんな私たちの頭の上に霞が関から来た人が、何人もいた。そういう人たちは、いつも個室にいて、よくこう言ったものだ。

 『公庫の人は、みんな驚くほど住宅に詳しいねぇ・・』
                   ☆
 言われるたびに、いつも思った。

 当たり前だろ、そんなこと。

 何十年も住宅、住宅でメシを食ってきたんだ、こちらは。

 あっちこっち、つまみ食いみたいに、あれこれやってきたわけじゃないのだ! 
                   ☆
 もともと住宅とか金融には特有の専門性がある。だから、この分野の仕事にはそれなりの奥行きやハードルがあった。当然ながら、判断を問われるような仕事にぶつかると、意思決定の上で住宅に携わってきた年月の違いによる考え方の違いが生まれることになる。

 そんな時、いつも頭には「住宅って、いったい何だ」という問いかけが浮かび上がったものだ。

 「一世帯一住宅」という政策スローガンめいた言い方が、その頃はいつもあった。終戦直後に430万戸と言われた住宅戸数不足のトラウマが、まだまだ消え残っている時代である。

 実際には、1968年(昭和43年)の住宅・土地統計調査で、すでに住宅戸数が世帯数を超えていたことが後になってからデータでわかったのだが、まだそんな実感はなかった。都市化や通勤ラッシュの問題が議論され、都市近郊の土地利用効率のレベルアップが課題だったから疑問を持つほどの余裕もなかった。

 それに、この時代は、誰の頭に在来工法による戸建て住宅しかなかったのだ。

 そんな中で、プレハブとか、住宅産業とかと言った聞き慣れない言葉といっしょに使われ始めたのが「マンション」という言葉だった。

 だから、最初はピンとくる響きがなくて、説明しにくかった。「マンション」は、そんな経過の中で生まれた言葉だった。

「マンション」は商品名。公認されない俗名だったから和文邦訳が必要だった

 そんな雰囲気だった公的住宅ローンが、「マンション」を融資対象メニューに加えたのは1970年(昭和45年)だった。だが、融資案内など利用者向けのガイド情報では「マンション」という言葉は一切、使われなかった。

 「マンション」は商品名だったからだ。

 制度上は「高層分譲住宅購入資金」という名称で、利用できる地域も東京都と大阪府の一部に限られていた。

 このころ財政投融資特別会計という仕組みがあって、すべて政策レベルで物事が決まっていた。固い漢字の法制用語の言葉が多くて、普通の人にはわかりにくかった。そのため利用者と向き合う立場では、この難しい言葉を日常生活次元のわかりやすい言葉に言い換えることが、いつも必要だった。

 これを「和文邦訳」と呼んだ。

 マンションは、和文邦訳しなければ通用しにくい典型例だった。

取材も生活部あたり。経済部とか社会部はこなかった。まして政治部なんて・・

 でも、政策の対象になったのは、やはりマンションの存在感が大きくなってきたからである。当然、マスコミが取り上げる機会が多くなってきた。

 テレビが全盛期に差し掛かっていた頃でもあったから、新聞のほかにテレビの取材が混じることもあった。

 事前の打ち合わせや取材当日、相手になるのがどうしてだか学芸部とか文化部というケースが普通だった。こちらとしては、マンションが生活基盤の住宅だという思いがあるから生活部とか社会部ではないかと考えるのだが、実際にそういう部門の取材という機会は滅多になかった。

 今でもそうらしいが、取材対象としての住宅そのものの位置づけがどうも違うらしい。いわば、分類不可能な雑報並みの位置づけのような気がする。

 それは、新聞に出る住宅やマンションの記事掲載面が主として雑報並みであることを見れば見当がつく。
                   ☆
 別に今さらの感想でもないが・・・。

| muraitadao | コラム | 17:55 | comments(0) | trackbacks(0) |









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