村井忠夫のマンション管理ブログ

村井忠夫のマンション管理ブログ
【マンションに住む実感を確かめるノート】大勢の人と関わりながら暮らすマンションなのに「知らせる」仕組みがないという不安!!〜広報はマンション管理システム最大の欠陥だという確信〜

不安な白日夢。「このお化け屋敷ビル、昔々はマンションだったんだよ」という誰かのつぶやきがどこかから聞こえてくる・・・

 同じマンションの同じ住戸に45年住み続けてきた思いをこのブログに書き続けながら、もう12年をはるかに超えた。

 毎月3回せっせと書いてきたが、目の前の問いの答えはまだ見つかっていないような気がする。

 いつも、次のような問いかけが頭にあった。

●「集合住宅」というたった四字の言葉でマンションの今をどこまで説明できるか
●商品化計画段階で供給者が考えていた光景は今どこまで実現したか
●住宅という「建物」の寿命とそこに住む「人間」の寿命の対応関係は見直しの時期に来ているのではないか
●見直しでなくても規模や立地がこれだけ千差万別になった現状の再確認は絶対に必要ではないのか
●「住宅」のイメージを考える前提としてマンションは一戸建て住宅と、どこが、どう違うかを誰もが理解できているか
●マンションを長寿命の住居として何十年も支えていく技術の裏付けはどこまで確かめられているのか
●マンションという住居形態がもたらす長期間にわたる社会的な評価は確立しているか
●マンションの「古び方」への世間の見方や常識は調査の対象にならないのか
●技術面の進歩がマンションの建物寿命を支えることに業界や学会のシステムはどこまで対応できるのか
●マンションを資産商品イメージだけでとらえる今の社会風潮に問題はないのか 
●マンションは利殖目的の資産である前に、まず生活基盤だという絶対的な原則は法律や制度に意識されているのか
●超高層物件がこれだけ普及してもマンションの巨大化複雑化は都市問題の論点にならないのか
●大きくて複雑なまま古くなったマンションがお化け屋敷になる心配はないのか。。。。。

 もうやめよう。

 きりがなくなってきた。

 でも、書き続けるほどはっきりしてくる。

 「マンション」って、いったい何だ。

 「住む」って、一体どういうことだ。

同じ建物で一枚の壁と床を隔てただけでいっしょに暮らすところがマンションだ…とは誰も言わない、どこにも書かない、だから、誰も考えない・・・

 だが、そのうち気がついた。

 どんな理屈を唱えても、同じ屋根の下、たった一枚の壁や床を隔てただけでまるごと生活を共にしている点はみんな同じではないか。

 言わば、一度乗ってしまったバスは走り出したあと、それほど簡単に乗り換えられないのと似たようなものではないのか。

 毎朝、黒塗りの車が迎えに来る偉そうな人だって、同じ玄関から入って同じエレベータ―に乗り、同じ水を飲んで同じ建物で暮らしている点は全く同じではないか、と。
                   ☆
 昨日も今日も、そして明日も同じ生活ができるのは管理会社がちゃんと働いているからだというが、その管理会社が働いている仕組みは、どこまでみんな分かっているのか。

 管理組合と町内会、自治会は、どこが、どう違うかを説明できる人はいるのか。

 毎年たった1回しか開かれない管理組合の総会など出てきたためしがない人の方が多いのに、なぜ物事が決まるという理屈が成り立つのか。
                   ☆
 どのマンション、マンション、マンションだって、同じ屋根の、同じ建物の中で、たった一枚の壁や床を隔てただけで、いっしょに暮らしている点では、全く変わらない。

 あまりにも分かりきったこんな話は、誰も言わない。

 やれマンションがどうだとか、こうだとかいう理屈を並べた本や雑誌にも、そんなことは全く書いてない・・・。
                   ☆
 そんな実感が生まれてきた頃、建築後10年が過ぎていた。

「マンションは管理を買え!」などとさもわかったように言う人もいたが・・・

 最初の大規模修繕工事にとりかかったのは、昭和年代末期。

 本当に、もう何一つ手がかりがなくて、何を手がけるにしてもまさに闇夜を歩くおぼつかない気分だった。

 頼りになるのは、区分所有法だけ。

 でも、その区分所有法も、普通の人にはとても読みこなせない代物だった。

 難しくて、長くて、ピンと来なくて、日本語離れしていて・・・。

 すでに住宅ローンの使い方などの原稿を書くようになっていた経験があったから、こうした法律や制度などの分かりにくさは、いつも、もう本当に腹立たしかった。
                   ☆
 でも、実感ではっきり分かってきたことが一つあった。

 要するに、マンション管理というのは、物事の決め方なのだ、ということが。

 マンションは管理を買えなどと、さも分かったようなことをしたり顔で言う人がいるが、結局のところ、どうやって何を決めるかという一点に尽きている。

 ならば、決める人たちに決めなければならないことを、どういう方法でわかってもらうかという点ポイントになる、

知らせる仕組みがない!‼!広報がマンション管理最大の弱点だという認識がこうして始まった

 だが、わからせるためには、まず知らせることが必要だ。

 分譲マンションの管理で知らせるという課題は、広報である。

 だが、この広報のことを取り上げた仕組みや情報は、どこにもない。

 広報という最も大事な課題についての情報源が、どこにも、まったく無い。
                   ☆
 広報という知らせる仕組みの情報源がないから、決めるべきことが誰にも分からない。

 分からないことは決めようがない。

 決めるべきことを決められなかったら「マンションは管理を買え!」なんて、もう空々しくて・・・。
                   ☆
 ここに気がついた時から、広報が現在のマンション管理最大の弱点だという考え方は確信に変わった。

 今も、まったく変わらない。

 これからも変わるまい。

| muraitadao | コラム | 11:38 | comments(0) | trackbacks(0) |









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